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成猫用キャットフード

猫にとって劇的な成長期も一段落した、1歳齢以降7歳ごろまでを成猫と位置づけています。この時期、妊娠も授乳もしておらず、激しい運動もしていない状態を維持期ともいいます。
この時期の栄養要求量は、成長期よりもずっと少なくなります。
成猫の1日のエネルギー要求量(DER)は、通常、60~80kcal/kgといわれています。
猫のエネルギー消費量は、除脂肪体組織量、活動性、環境温度、遺伝的要因に影響されるといわれています。
エネルギー計算によって、出されたDER値は、あくまでも目安にすぎません。各個体によって条件が異なります。
目視による体の観察(外観からみた体型等)が大事です。理想のボディ・コンディション・スコア(肥満度)を目指して日々飼い主さんは努力を怠らないようにしましょう。

米国では、ペットフードの栄養基準は、米国科学アカデミー・国家研究協議会(NRC)の栄養基準をベースに、米国飼料検査官協会(AAFCO)が栄養基準を定めています。日本のペットフードメーカーの団体であるペットフード公正取引協議会もこの基準を採用しています。即ち、この基準に従って製造されているキャットフードであれば、安心して愛猫に食事を与えることができます。


理想のボディ・コンディション・スコア(BCS)と体型

(1)理想体重(%)は、95~106
(2)体脂肪(%)は、15~24
(3)肋骨は、僅かに脂肪に覆われて、触知できる
(4)適度な腰のくびれがあり、腹部はごく薄い脂肪層に覆われている

この時期の栄養学上最も大事なことは、肥満にさせないことです。
成長期が過ぎて、激しい運動も落ち着き、エネルギー消費が一段落すると、エネルギーの供給と消費のバランスが逆転します。それにもかかわらず、これまでと同じ量の食物摂取量を続けると肥満の原因のひとつとなります。
成猫の肥満発生率は、米国での調査結果では、約35%と報告され、7~8歳の中年期には更に増加して、約50%が体重過剰あるいは肥満となっています。とくに去勢した雄において圧倒的に多いという結果です。
不妊・去勢手術を行なった猫は、性ホルモンの減少により、基礎代謝と活動性の低下を生じ、エネルギー消費量が20~30%減少します。そのため、食事制限が必要となります。
過体重・肥満の猫では、糖尿病、高血圧、口腔疾患、下部尿路疾患、皮膚疾患そして癌等病気のリスクが高くなります。
健康であり続け、より長生きしてQOLを高めていくためにも、肥満防止は重要です。


成猫の栄養管理
(1)水分
水は成猫の約60~70%を構成していて、最も重要な栄養素です。体水分の20%程度でも失うと死に至るといわれています。水分の不足は、下部尿路疾患、特発性膀胱炎等のリスクを高めます。
室内の数か所に水飲み場を設置する、あるいはドライフードの給与と平行してウェットフードを時折与える等の工夫も必要かもしれません。

(2)タンパク質と必須アミノ酸
成猫では、成犬に比べ維持量が2倍量を必要とします。猫の必須アミノ酸は、11種類です。
とくに必須アミノ酸として欠かせないのが、アルギニン、タウリン、メチオニン、シスチンです。アルギニンが欠如すると、短時間で高アンモニア血症が生じ、重篤な状態に陥ります。
猫はタウリンを体内で合成する能力に乏しく、欠乏すると、中心性網膜変性や拡張型心筋症等を発症します。
米国飼料検査官協会(AAFCO)の栄養基準によると、維持期の必要な最小タンパク質要求量は、フードを構成する栄養素の26%(4.0kcal/g)であり、通常の推奨値は、30~45%です。
タンパク質の過剰摂取は、潜在性腎疾患の進行あるいは蛋白尿の増加に関係する可能性を否定できません。年齢に見合った適量なタンパク質の配合されたフードを給与してください。

(3)脂質(脂肪)と脂肪酸
脂質の重要な役割は、
1)必須脂肪酸の供給
2)脂溶性ビタミンの運搬
3)主要エネルギーの供給
4)多様な生理活性物質や脳や神経組織等の構成成分
5)代謝水の供給
6)食餌の嗜好性を高める
等があげられます。
脂肪の利用能力は高く、健康な成猫の脂肪消化率は90%に達するといわれています。
成猫は、脂肪濃度が約25%のフードを好むといわれています。
脂肪の過剰摂取も肥満の原因の一つです。
必須脂肪酸としては、まずリノール酸(ω-6系列)があげられます。
猫は、リノール酸からアラキドン酸(ω-6系列)を合成する能力が極めて低いため、アラキドン酸も必須脂肪酸の一員です。アラキドン酸は魚に多く含まれています。
魚油に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)は、
α-リノレン酸から合成できるので、必須とまではいきませんが、成猫期の猫にとって有用な脂肪酸です。
AAFCO栄養基準によると、成猫に必要な脂肪分は、乾物量で脂肪9.0%以上、リノール酸0.5%、アラキドン酸0.02%です。
リノール酸は、正常な細胞膜と機能、成長、脂肪輸送、表皮バリア機能、健康な被毛等を保つために必須です。
アラキドン酸は、欠乏すると血小板凝集障害、炎症性皮膚病変、雌猫の繁殖障害に関与するといわれています。

(4)炭水化物
炭水化物は、糖質と食物繊維の2つに分けられます。
猫は、肝臓における糖代謝は極めて弱く、消化管から吸収された糖質は、そのまま門脈を経て肝臓に流入します。この糖質は、そのまま全身血流に入って血糖値を上昇させます。
猫は、アミノ酸からの糖新生が常時、活発なため、血糖値の維持に炭水化物は必須ではありません。
食物繊維は、健康な胃腸機能を維持する上で重要な役割を果たします。即ち、腸管の蠕動を促進し、また腸内細菌により発酵性の食物繊維から揮発性脂肪酸を生じさせ、エネルギー源とします。
食物繊維は、繊維反応性疾患(肥満、糖尿病、高脂血症)の管理にも有益です。なお、便秘傾向の強い糖尿病罹患猫への高繊維食の給餌与は十分な水分補給が必要になるため要注意です。
健康な成猫の繊維質の推奨値は、5%以下です。
肥満傾向の猫では、粗繊維含有量15%程度で胃腸の機能改善に効果があるとの報告があります。
毛玉除去にも高繊維食が有益です。

(5)ビタミン
猫には、体内で合成できないビタミン類があり、食物からの摂取が必要です。
水溶性ビタミンのニコチン酸(ナイアシン)と脂溶性ビタミンのビタミンAは、体内で合成できません。
そのほか、欠乏すると重大なビタミン類として、ビタミンB1、B6(ピリドキシン)、D、E等があげられます。

(6)ミネラル類
1)カルシウムとリン
リンの過剰摂取は、下部尿路疾患や腎疾患のリスク要因となります。
成猫のカルシウムとリンの必要量は、子猫の成長期に比べ少ないです。
市販のフードのカルシウムとリンのレベルは、一般に推奨値よりも高く設定されて
いることが多い傾向にあります。よって与える際は表示をみて、考慮して調整してください。成猫はとくにリン酸・アンモニウム・マグネシウムの過不足による尿石症のリスクが高いです。

2)ナトリウムとクロライド
元々野生の猫の食餌中のナトリウム量は約0.25%と低いです。
クロライド(ここでは塩化ナトリウム以外の塩化物のことを指します)はナトリウムの約1.5倍が提唱されています。
AAFCOでは、ナトリウム0.2%、クロライド0.3%を推奨しています。
猫においても、高血圧症は、腎疾患、甲状腺機能亢進症、心臓病、肥満等と関連し、高圧症の猫の約50%が、低ナトリウム食に変更すると血圧が降下したとの報告があります。
塩分の摂取過剰は避けた方が賢明でしょう。

3)カリウム
高タンパク質食や尿pHを低くする食餌は、カリウム必要量を増加させます。
AAFCOによると、健康な成猫の食餌に含まれるカリウム必要量は、0.5%以上で、低カリウム血症を予防するためには、0.6~1.0%を推奨しています。
腎疾患、尿細管性アシドーシス、糖尿病、腸炎等で、カリウム損失が大きくなるので、その様な病気の猫の場合獣医師の指示のもとでのカリウムの補充が必要です。

4)マグネシウム
成猫のマグネシウムの最小必要量は、4.1mg/100kcalです。(0.04%)
マグネシウムは、必須の栄養ですが、一方では、ストルバイト尿石症(リン酸・アンモニウム・マグネシウム)の主成分でもあります。
ストルバイト結晶が尿中にみられる場合、下部尿路症候群のリスクがあります。
このことから市販のキャットフードの中には、マグネシウム含有量を下げ、尿を酸性化する工夫がされています。