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低アレルギーキャットフード

食べ物が原因で体が痒くなったり、お腹の調子が悪くなったりした愛猫を動物病院へ連れていった経験はありませんか。
この現象は、食物に対する有害反応といわれる、口から取り込んだ食物あるいは食品添加物に対する異常な反応のことで、主に皮膚や消化器に症状が現れます。

食物有害反応は大きく免疫性と非免疫性に分けることができます。

免疫性有害反応には
・食物アナフィラキシー
・食物アレルギー
があげられます。

非免疫性有害反応には
・食物不耐症(代謝性食物反応、食中毒、食物特異体質等)
・無分別な食物摂取(暴飲暴食、異食症、残飯あさり等)
等があげられます。

今回は、免疫性有害反応の代表である食物アレルギーとその予防的な食事管理について述べていきます。

ヒトを含む動物には、体内にウィルスや細菌等が侵入した時に、これらを異物として認識し、撃退しようとする免疫防御機構が備わっています。
しかし、まれに体に有用な食物を異物として認識し、撃退しようと防御免疫機能が働くことがあります。
普通の人にとっては何でもない食物でも、特定の人が食べると蕁麻疹が出たり、吐いたりすることがあります。このような異常な反応を示す状態を食物アレルギーといいます。
猫でもまれに特定の食物に対してアレルギー反応を起こすことがあります。

1.猫の食物アレルギーの特徴

(1)発症する時期に季節性は認められません。
(2)発症年齢は、比較的若い時期の6か月齢から12歳にまで及んでいます。まれに3か月齢で発症する例もあります。ほぼ半数の猫が2歳までに発症したとされる報告もあります。
(3)性別に差はみられません。
(4)好発品種はいないとされていますが、シャム猫あるいはシャム猫との雑種猫にリスクが高いという報告もあります。


2.臨床上みられる症状

(1)食事をとってから1~数時間以内に皮膚が赤くなる
(2)体を絶えず掻いている(痒み)
(3)頭部、頸部、耳にとくに集中して痒みがみられる
(4)嘔吐、軟便・下痢等、糞便回数の増加がみられる
(5)喘息等の呼吸器症状がみられることがある


3.食物アレルギーの原因

食物に含まれるタンパク質が原因になって起こることが多いです。

(1)感受性があると報告された食物
牛乳、牛肉、羊肉、豚肉、鶏肉、兎肉、馬肉、魚(さまざま)、卵、ドライフード、肝油、安息香酸、食品添加物

(2)食物アレルギー発症の仕組み
正常な状態では、食物は異物として認識されないというメカニズムが存在します。
このメカニズムは、粘膜バリアや経口免疫寛容と呼ばれる防御機構です。これらによって体は幾重にも守られています。
しかし粘膜バリアの異常(消化率の悪いタンパク質や不完全なタンパク質の消化、腸粘膜透過性の亢進、加齢による絨毛細胞膜の変化、粘液組成の変化等)や経口免疫寛容の異常(免疫調節の欠陥)により防御機構が破綻すると、食物アレルギー発症の引き金になると考えられています。
体の中がこのような環境の状態にある場合、感受性があると報告された食物が、体内に取り込まれ、消化・吸収され、その消化物あるいは代謝物が異物(抗原)として認識されると、特異的な抗体(IgE抗体)が産生されます。
この抗体は、体の中の肥満細胞や好塩基球に結合します。
抗原として認識された食物が、再び体内に取り込まれると抗原抗体反応を起こし、肥満細胞や好塩基球からヒスタミンという物質等が放出されます。
ヒスタミン等が血管透過性亢進、平滑筋収縮、腺分泌の増加を促し、アレルギー反応を引き起こします。
なおアレルギーが発現するには、抗原の構造や分子の大きさが関連していることが研究で明らかになってきており、分子量10,000ダルトン以上の複合タンパク質、糖タンパク質が原因ともいわれています。
そのため加水分解された小さい分子のタンパク質(分子量10,000ダルトン以下)では、アレルギー反応が起こりにくいとされています。


4.食物アレルギーの診断と食事療法

(1)獣医師は動物病院に来た愛猫の飼い主さまに日常的に利用している食物や口に入れるもの全てをリストアップしてもらいます。
例えば、
・普段食べている市販フード(あるいは手作りのフード食材すべて)
・間食(トリーツ類等)
・サプリメント
・薬、チュアブル剤
・ヒトの食卓の食物や残飯
・幼児用のおやつ
・同居動物の食物
・噛むおもちゃや歯磨きガム類
・食糞の有無、床に落ちているものを食べる可能性
等があげられます。

(2)除去食試験
抗原となっている食物の確認をします。その食物の原材料(添加物等も含む)まで確認できるとさらによいが現実的には困難です。
除去試験に用いる除去食には、療法食と手作り食があります。
手作り食は、栄養バランスを計算して給与しなければならず、また調理に手間がかかり、個人が行なうには現実的ではありません。
獣医師が処方するメーカーの療法食を利用するのが、最善と考えられます。
除去食試験の手順について、

1)除去食試験に入る前に1~2週間、いつもの食事を与えます。
飼い主さんに食事の日誌を毎日書いていただきます。

2)愛猫が今までに明らかに口にしたことがない新奇タンパク質で作られた除去食を選びます。
少なくとも3~4週間は除去食だけで過ごします(中には応答するまで12
週間以上要することもあります)。
試験期間は、厳密にスナックやおやつ類も全て与えることはできません。
ゴミ箱あさりもさせてはいけません。その他の食物も一切与えないよう
にしてください。猫は自由行動をとるので、四六時中の監視はできませんが、極力行動に注視してください。

3)食物有害反応かどうかを立証するために、除去食で維持用の食事を準備します。症状が収まった段階で、抗原を同定するために、この食事に、疑われる蛋白源を1つずつ導入し、症状が発現するかどうか診断します(誘発試験)。
好き嫌いの強い猫の性格から誘発試験の実施や完遂がむずかしく、根気
がないとこの試験は成立しません。獣医師と飼い主の信頼関係が必要です。

(3)療法食
結局、猫の場合、誘発試験で原因物質を突き止めることは困難であり、除去食試験に用いた療法食を処方することが多いでしょう。 
市販の療法食は、栄養価が高く、嗜好性も工夫され、栄養バランスも取れていて、ライフステージに合った適切な栄養構成で、パッケージやラベルの表示を目安に給与量を決められる利点があります。市販の療法食には、新奇タンパク質(体が抗原と認識していないタンパク質)源とアレルギー反応を起こさない程度までタンパク質を加水分解した鶏肉ベースのものがあります。
分子量3,000ダルトン以下の加水分解タンパク質のみを蛋白源とした低分子除去食も市販されるようになりました。

(4)脂肪酸補充の有効性
ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、α-リノレン酸等のω-3脂肪酸やɤ-リノレン酸等のω-6脂肪酸を脂肪酸サプリメントとして食物に添加したり、またオメガ-3脂肪酸及び抗酸化成分を増量した新奇タンパク質フードが、食物有害反応を疑わせる慢性非季節性掻痒性皮膚炎(炎症や痒み)に有効なことが判明しました。

日本では、「療法食ガイドライン(栄養特性に関する基準が定められた療法食リスト)」の食物アレルギー又は食物不耐症の項に、『アレルギー又は食物不耐症の原因として認識されにくい厳選した原材料を使用(加水分解タンパク質、新奇タンパク質、精製したアミノ酸類、等)』と規定されており、それを守った療法食が市場に流通しています。
また日本獣医師会「療法食の適正使用のための食事療法ガイダンス」の中の食物アレルギーの項でも、療法食の特性として、『アレルゲンと認識されにくい(加水分解または新奇性)タンパク質を含む原材料、または精製したアミノ酸を使用』と述べられています。