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糖尿病用キャットフード

1.糖尿病の原因

糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島細胞を構成する3つの細胞の中のβ細胞から分泌されるホルモンの一種である、インスリンの血糖を抑制する作用不足が原因となります。そのため血糖が上昇し、症状を発現します。
猫の糖尿病は、ヒトの2型糖尿病に近い病態をしており、発生のピークは9~11歳です。発症する猫は遺伝的素因があり、そこに肥満、感染症、歯周病、痒み(皮膚病)、腫瘍、ストレスなどの要因が引き金となり発症します。

発現しやすい要因としては、
・遺伝的要因
・加齢
・肥満
・膵炎
・ホルモン異常
・環境
等の影響を受けます。

とくに去勢後、肥満になりやすい雄猫に多く発症することから、日頃の栄養管理による体重コントロールが大事になってきます。

(1)肥満と糖尿病の関係
米国では、成猫の過体重/肥満の発生率は25~50%と推定されています。また糖尿病の発生率は、1:100~1:500といわれ、圧倒的にインスリン非依存性糖尿病(インスリンの作用が出づらくなったり、分泌のタイミングが悪くなったりする)の発生頻度が高く、中年の肥満猫(とりわけ去勢雄猫)の罹患傾向が高いと報告されています。

実験的に肥満にさせた健康な猫群では、インスリン反応性が52%減少し、グルコースに対する反応性が低下したという報告があり、肥満はヒトと同様に危険因子であり、発症リスクを4倍にまで高めるといわれています。
一方、肥満は脂質代謝とも密接な関係があり、糖尿病においては、脂質代謝が異常となりやすいため、これらを考慮しながら栄養療法をすることが重要となってきます。


2.糖尿病の症状

1)初期の症状
・多飲多尿
・多食と体重減少

2)病状進行(ケトアシドーシス)
体の中にケトン体という物質が溜まってくることにより、
・元気・食欲の低下
・下痢や嘔吐などの消化器症状
・昏睡
等の症状が発現してきます。

3)長期間の高血糖状態
・後肢の麻痺

(2)糖尿病の診断
糖尿病の診断は、非常に単純で、
・多飲多尿、多食などの典型的な糖尿病症状の出現
・300~350mg/dL以上の空腹時血糖値
・尿糖の出現
・血糖コントロールマーカー(糖化アルブミン、フルクトサミン)の上昇
等が指標となります。

(3)糖尿病のインスリン治療と栄養管理
初期の治療は、高血糖症と尿糖に続発する徴候を取り除くことです。具体的にはインスリン投与、運動療法、食事療法、並びに併発疾患の治療があります。
その中でも、栄養管理(食事療法)は非常に重要です。

軽度の高血糖(血糖値約150~300mg/dL)の場合は、栄養管理と体重管理で糖尿病をコントロールすることが可能です。しかし病院へ連れて来る猫の大半は、血糖値が400mg/dLを超えていることが多く、インスリン治療が必要となります。
その際も栄養管理は当然、併用することとなります。

1)食事カロリーの設定
糖尿病と診断されるのは肥満の猫が大部分を占めるため、体重管理が必要で、慎重なカロリー計算のもとにした栄養管理(食事療法)が必要です。

2)食事回数
1日2回、12時間間隔が望ましいです。

3)食事の選択
血糖値の上昇を抑制し、肥満を改善させる食事が必要です。
従来は低脂肪、高繊維食の療法食が用いられてきました。
繊維の上昇により、食後の高血糖を抑制する効果がありました。また低脂肪によりカロリー密度が低下し、フードのかさ増しの効果も期待できたためです。

近年は高タンパク質、低炭水化物、高繊維食のフードが多く用いられています。 これは炭水化物を制限しているため、食後の血糖上昇を抑制する作用があります。またアルギニンが多く含まれていることが多く、食後のインスリン分泌を刺激し、血糖値の上昇を緩やかにするという報告がありま
す。

糖尿病は老齢の猫に多い疾患であり、腎不全や膵炎を併発している場合もあり、食事コントロールに困難さが伴います。獣医師と十分に相談しながらの治療が必要です。

日本では、「療法食ガイドライン(栄養特性に関する基準が定められ
た療法食リスト)」の糖尿病の項に、『急速にグルコースを遊離する炭水化物を制限』と規定されており、それを守った療法食が市場に流通しています。

また日本獣医師会「療法食の適正使用のための食事療法ガイダンス」の中の糖尿病の項では、『低炭水化物・高食物繊維の栄養組成が、炭水化物(糖質)の消化吸収を緩やかにすることで、血糖値の急激な上昇を妨げるのに役立ちます。』と述べられています。