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下部尿路症候群(泌尿器症候群)用キャットフード

猫は、尿の生成・排泄を行なう腎尿路系の病気を最も起こしやすい動物です。
下部尿路症候群(泌尿器症候群)とは、膀胱から尿道までの下部尿路で発症する病気(尿石症、特発性膀胱炎等)の総称です。
尿石症では、尿の中に結晶(尿結石)が出来、これが尿道を詰まらせ、尿が出にくい、あるいは膀胱に停滞して膀胱を傷つけたりすることが多くみられます。
この病気は、雄でも雌でも発症します。しかし雄の方が重篤な病気として扱われます。雄の尿道は元々細くて長い上に先端がさらに細くなっていて、結晶が詰まりやすくなっているからです。雌の尿道は太くて短いため、結晶が詰まることはまずありません。

尿道に結晶が詰まり、何ら処置もせず、時間が経過すると急激に腎後性腎不全に陥り、尿毒症の症状が発現して死に至ることとなります。緊急な処置が必要です。

1.家庭で確認しやすい症状

1)血尿が出る
2)トイレでうずくまっている
3)力んでいるのに尿が出ない
4)トイレに行く回数が増える
5)トイレではない場所で排尿する
6)行動に落ち着きがない
7)食欲低下、元気消失


2.尿石の形成要因

(1)必須要因
1)尿石成分の濃度
尿が濃縮しているほど尿石は形成されやすいです。
水を飲ませたりウェットフードで水分を摂らせることで回避が可能です。

2)尿pH
化学的に最適な環境条件(温度・pH等)が揃ったときに結晶の析出は起こります。

3)尿路中の滞留時間
濃縮尿が、長時間、結晶析出に最適な環境にあると結晶が互いに凝集し、尿石が形成されやすくなります。


(2)増強要因
1)尿石核の存在
赤血球、白血球、上皮細胞、細菌、尿円柱等結晶を凝集させやすい物質の存在があること

2)尿路感染症
尿路感染によって炎症が生じて、白血球や上皮細胞を膀胱中へ増加させることで、尿石形成の環境が生み出されます。
猫の尿石では、その多くが無菌性のストルバイト尿石症ですが、高齢、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)/猫白血病ウイルス感染症(FeLV)の感染などによる免疫機能低下の場合には感染症からの尿石形成がありえます。


3.ストルバイト尿路結石症管理の要点

7歳齢以下(とくに3歳から5歳ごろ)の雄猫によくみられ、高齢の猫にはあまりみられません。

(1)尿路感染症の治療
先述の通り尿路感染症の放置でも尿石は析出されるので、FIVやFeLVの治療およびワクチン接種を行うことが予防法のひとつです。

(2)食事管理
尿中にストルバイト結晶が認められたら、尿pHを適度に酸性化する療法食(維持食)により食事管理を開始し、モニタリングを強化します。またストルバイト尿石を認めたらストルバイト尿石を溶解する療法食を獣医師相談の下で使用します。

(3)水分摂取量の増加の工夫
1)缶詰フードの利用
2)室温を18~25℃に調節する
3)飲水容器の数と設置場所を増やす
4)水の質を見直す
5)風味付けをする(無塩チキンスープなど)


4.シュウ酸カルシウム尿路結石症管理の要点

形成された結石を食事療法で溶解するのは困難です。再発率も高いため、食事管理で再発のリスクを低下させることが推奨されています。
加齢と共に尿pHは低下し、高齢猫の尿は若成猫より有意にリスクが高いという報告があります。
また雄猫は雌猫よりも1.5倍リスクが高く、バーミーズ、ヒマラヤン、ペルシャ猫は高リスクな品種として知られています。屋内飼育の猫もリスクは高いと報告されています。

(1)尿のpH
結石の形成には、尿pHはあまり関係しませんが、激しい酸性化は尿中カルシウム濃度を増加させ、結石の生成を促すことになります。よって猫は、尿pHを6.6~6.8に維持する食物を選択します。

(2)タンパク質
タンパク質の過剰摂取は尿酸、カルシウム、シュウ酸の排泄量を増大させ、尿pHを低下させます。乾物量で30~45%含まれる食物を与えるようにしてください。

(3)カルシウムとビタミンD
どちらも過剰摂取は、尿中へのカルシウム排泄量を増大させるので、過剰に含まれる食物やサプリメントでの補給は避けてください。乾物量でカルシウム0.5~0.8%、ビタミンDで500IU未満のものを与えます。

(4)マグネシウム、ナトリウム、シュウ酸
マグネシウムの過剰と欠乏は、尿中カルシウム濃度を上昇させます。食物中の適切なマグネシウム量は、乾物量で0.04~0.10%です。
ナトリウムを過剰に摂取すると、ナトリウムだけでなく、カルシウムの尿中排泄量も増えます。食物中のナトリウムの適切な量は、乾物量で0.10~0.40%です。
ヒトの食物や犬用の間食には、食塩が多く含まれるので、与えないようにしてください。
シュウ酸を過剰に含む食品及びシュウ酸カルシウム生成の前駆物質となるアスコルビン酸(ビタミンC)の過剰摂取も避けるようにしてください。


5.尿石改善のために作られた療法食に含まれる栄養特性の詳細

獣医療法食批評センター作成の、療法食ガイドライン内「栄養特性に関する基準が定め られた療法食リスト」によると、下部尿路症候群用の療法食には以下の栄養特性が含まれいています。

・ストルバイト結石(溶解時)
尿を酸性化する特性(を持つ療法食)・マグネシウムを制限

・ストルバイト結石(再発防止時)
尿を酸性化する特性・マグネシウムを中程度に制限

・シュウ酸塩結石
尿をアルカリ化する特性・カルシウムとビタミンDを制限

また、日本獣医師会「療法食の適正使用のための食事療法ガイダンス」の中の尿石(下部尿路疾患を含む)の療法食についての項では、『尿石の管理及び再発防止のため、尿石の構成成分、結石が形成されやすい尿pH及び尿量増加を考慮し、ミネラル類や栄養成分が調整されています。選択した療法食が管理する尿石の種類に適したものであることを確認するためには、定期的な診断及び経過観察が不可欠です。』と述べられています。