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キャットフードを比較しました!

心臓病用キャットフード

心臓・血管系の疾患は、ペットで多く認められる疾病群です。
心臓疾患を内包した動物でも、代償機序が働いて心拍出量が維持されている場合は、必ずしも心不全に絡んだ臨床症状はみられず、日常生活に不便なく過ごすことができます。

しかし激しい運動や興奮により、代償機序が不十分になると症状が現れる場合があります。この代償機序の破綻により、心拍出量の低下が起こると心不全の徴候として様々な症状が発現してきます。

1.心不全の臨床症状

(1)心拍出量の低下の徴候
・運動不耐性
・易疲労性
・虚弱
・失神
・チアノーゼ(末梢循環不全)

(2)うっ血の徴候
・発咳
・頻呼吸
・呼吸困難
・浮腫(腹水、胸水、皮下浮腫)
・チアノーゼ

心臓疾患は、若齢で発症する例と高齢になって発症する例があります。
若齢で発症する例では、動脈管開存症、房室中隔欠損症、門脈全身循環シャント、肺動脈狭窄症、ファロー四徴症(以上、先天的疾患)等がみられ、中・高齢で発症する例として、拡張型心筋症、肥大型心筋症、拘束型心筋症、大動脈血栓塞栓症(以上、後天的疾患)等がみられます。

1987年にPionらが猫の拡張型心筋症とタウリン欠乏との関連性を報告しました。その結果、キャットフードにタウリンが添加されるようになり、多発していた拡張型心筋症は激減しました。


2.猫の肥大型心筋症

現在、最も発生率が高いのは肥大型心筋症です。
猫の心臓病の代表として、この肥大型心筋症に焦点を当てながら、食事療法について紹介します。

肥大型心筋症は、様々な年齢で発症します。特徴は左心室の壁の肥大です。それによりの左心室の内部が狭小化し、左心室への血液の流入障害を来たし、左心房が拡張することとなります。その結果、うっ血性心不全の病態を呈することになります。さらに病状が進行すると、僧房弁閉鎖不全症、肺水腫を併発し、さらには胸水、腹水等も合併していきます。
なお他の心筋症に比べて、動脈血栓症の発生が多く(約50%)、急性に後肢の不完全麻痺または完全麻痺を起こします。
この病気の確定診断は、心臓の超音波検査が不可欠です。治療は薬物療法が主体となりますが、合わせて栄養学的なアプローチも必要となります。

(1)栄養管理
1)肥満
肥満は心血管系に大きな影響を及ぼします。慢性心疾患の肥満猫には、体重管理の食事療法が必要です。

2)食塩の制限(NaとCl)
慢性心疾患の猫は、余分なNaの排泄機能が低下しています。そのため過剰なNaが体内に保持されてしまいます。このことは、浮腫・胸水・肺水腫・腹水等のうっ血症状を助長します。
塩分(Na摂取量)を制限することによって、心臓の負担を軽減することができます。慢性心疾患の猫では、乾物量(Na含有量)で0.07~0.3%に制限することが望ましいとされています。

3)リン(P)の過剰摂取
慢性腎臓病を併発している猫ではリン(P)の過剰摂取を避けることが必要です。

4)カリウム(K)
うっ血性心不全の薬物療法では、生体内のカリウムの不足が生じたり、血液中のカリウム濃度が変動したりすることがあります。そのため、薬の種類に注意が必要です。獣医師の指示に従った療法食(低カリウム食または高カリウム食)を与えてください。
日本では、「療法食ガイドライン(栄養特性に関する基準が定められた療法食リスト)」の慢性心機能低下の項に、『ナトリウムを制限』と規定されており、それを守った療法食が市場に流通しています。

また日本獣医師会「療法食の適正使用のための食事療法ガイダンス」の中の心疾患の項では、『塩分の制限及び電解質のバランス等を調整した栄養組成が心臓への負担を軽減し、高血圧、腹水、浮腫など心機能の低下に関連する症状の管理に役立ちます。』と述べられています。