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腎臓病用キャットフード

療法食は、動物たちの病気の治療等を行う際に、栄養学的なサポート食として獣医師の指導・管理下で与えられなければなりません。すなわち治療の内容に合わせてフード中の栄養成分の量や比率が調節され、その治療を補助的にサポートする目的で造られたものです。

その栄養特性は、一般的な総合栄養食とは異なるため、獣医師不在の下で、長期間の不適切な使用は愛猫の健康を損なうおそれがあります。

2012年日本獣医師会の全国調査の報告書で、療法食の誤使用に起因することが疑われる家庭動物の健康被害例として犬19例、猫18例が報告されています。
日本獣医師会が中心となって、獣医療法食評価センターが設立され、2014年10月日本で初めて「療法食ガイドライン」が制定されました。これを基本として、症状別に、様々なメーカーから色々な療法食が販売されています。

ここでは、猫の疾病として最もポピュラーな腎臓病とその療法食について紹介します。

1.腎臓の働きと腎不全(尿毒症)

(1)腎臓の働き
腎臓は排泄機能により、老廃物を体外に排泄するとともに水分・電解質及び酸
塩基平衡を調節し、体内の恒常性を維持します。また骨代謝・造血及び血圧調節
等を行っています。

(2)腎不全(尿毒症)
腎臓は75%まではその機能が失われていても残っている部分により代償されますが、それ以上障害を被ると腎不全を発症します。腎不全の進行に伴い、貧血・骨代謝異常、高血圧等を併発します。
腎不全は、急性腎不全と慢性腎不全に分類されます。急性腎不全に比べて慢性腎不全は数か月から数年に及んで徐々に腎機能が低下していきます。

慢性腎不全は、無症状の第1期(代償期)、多飲多尿・軽度貧血等発現の第2期(腎機能障害)、食欲低下・断続的 な嘔吐・体重低下・貧血等発現の第3期(狭義の腎不全)、嘔吐・下痢などの消化器症状・嗜眠傾向や痙攣などの神経症状のみられる第4期(尿毒症)から多臓器不全、死への転帰となります。


2.慢性腎機能低下(慢性腎不全)と療法食

第4期の状態でも輸液療法等により状態が改善され、その後断続的な輸液や食事療法による保存療法で、数か月の延命効果がみられることがあります。
しかし、一度失われた腎機能が元に戻ることは無いので、腎不全の兆候がみられたらすぐに獣医師に相談し、早期に食事療法などを開始することが大切です。

(1)療法食
療法食ガイドラインに「栄養特性に関する基準が定められた療法食リスト」が掲げられています。
それによると、猫の慢性腎機能低下に適応する療法食では重要な栄養特性は、
1)リンとタンパク質を制限、高品質なタンパク質を使用
2)窒素含有成分の吸収を制限
少なくとも1)または2)のいずれかを満たすこととなっています。

具体的な例として、米国のメーカーで猫の自然発症慢性腎臓病(CDK)45例について、療法食(タンパク質、リン、ナトリウム、脂質を調整)を与えた群グループと通常の総合栄養食だけ与えたグループ で24か月比較試験を実施したという報告があります。

対象は1歳以上で第2~3期の状態が4週間以上安定、持続した猫について実施しています。
その結果、通常の食事を与えたグループの尿毒症症状発現率は26%、腎疾患死が22%であったのに対して、腎臓病食療法食を与えた群ではいずれも認められなかったという事実です。
このことから、米国ではCKD発症したの猫では、血清クレアチニン値が2.0mg/dlを超えた時には、腎臓病向けの療法食による食事療法を開始することが推奨されました。

これらの事実を根拠として、獣医師は各種診断及び指針に基づいた栄養評価を行い、食事療法の方針を決定し、飼い主に指導しているのです。