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肝臓病用キャットフード

肝臓は、物質の生産や貯蔵など原料を化学反応によって加工する工場のような役割を持っています。
肝臓の主な働きは
(1)栄養素の分解と貯蔵
(2)体に必要な物質の合成
(3)毒物の分解
に大別されます。

猫に比較的多くみられる肝臓の病気は
・脂肪肝(肝リピドーシス)
・肝炎と肝硬変
・胆管肝炎症候群
等が挙げられます。

肝臓は沈黙の臓器と言われ、異常が生じても病気が重くなるまで目立った症状が現れないのが特徴です。
猫は健康なときでも一日の大半を眠って過ごすため、具合が悪くても気づきにくく、病気の発見が遅れてしまいがちです。そのため定期的に血液検査を受け、肝臓の異変を見逃さないことが大切です。


1.肝疾患の症状

一般的な症状としては、食欲不振、元気消失、削痩(痩せこけてしまうこと)、発育不良、嘔吐、下痢、脱水があります。
肝疾患でとくに注目しなければならないのは、
(1)黄疸
(2)腹水
(3)肝性脳症
(4)出血傾向
です。これらの症状が発現したら、重篤な状態として緊急な対応が必要です。


2.肝臓の血液生化学検査

定期血液検査で、これらの異常値が認められる結果が出たら、要注意です。但し、総合的に判断しなければなりません。

血液検査結果で注目したいマーカー

(1)肝細胞の障害のマーカー 
肝細胞実質傷害を反映する酵素(ALT・AST・LDH等)の上昇

(2)肝細胞の機能低下のマーカー
肝細胞で生成されるべき物質(グルコース・TP・ALB・コレステロール・BUN・血液凝固因子等)の低下及び肝臓で解毒・抱合される成分(ビリルビン・胆汁酸・アンモニア等)の上昇


3.肝疾患の栄養管理

肝臓の疾患によっては、栄養管理の中身が異なることもありますが、一般的には、一日の必要エネルギー摂取量を適切に与えることが肝要です。
乾物1g当たり4.0kcal以上の食事を選択するとよいです。
膵外分泌機能不全や胆管閉塞を併発していない限り、エネルギー密度を上げるため脂肪は中程度与える必要があります。

(1)脂肪肝(肝リピドーシス)の栄養管理
良質なタンパク質とアミノ酸(とくにアルギニンとタウリン)の供給が重要です。
タンパク質の不足は、リポタンパクの合成の低下を引き起こし、肝臓の脂肪蓄積を助長することになります。肝性脳症を発症してない限り、中等度の良質なタンパク質(乾物量で30~45%)を与えるとよいです。
アルギニンの不足は、肝性脳症を助長するので十分に与えることが必要です。
また猫にアルギニンを与えないと肝臓の尿素回路が回らなくなり、高アンモニア血症に至ってしまいます。
十分なタウリンの確保は、肝疾患からの回復、胆汁の抱合に寄与し、胆汁うっ滞を防ぐ役割を果たすとの報告があります。

(2)慢性肝炎、肝硬変、胆管肝炎症候群の栄養管理
良質なタンパク質を適正量(乾物量で30~35%)与えることが大事です。とくに低アルブミン血症や肝臓の再生の時には十分なタンパク質を与える必要があります。
なお肝臓の負担軽減、肝性脳症の発現予防のために、少量ずつ頻回与える方がより良いとされています。

(3)重度の肝硬変、肝性脳症の栄養管理
肝硬変が重度化し、肝性脳症に至って高アンモニア血症を発症した場合は、タンパク質を制限する必要があります。
肝臓の尿素回路がうまく機能していない場合は、アンモニアが代謝されず神経毒を引き起こすためです。タンパク質が不足を来さない程度に制限する上手なコントロールが必要です。

(4)その他の栄養管理
高消化性の炭水化物(トウモロコシ・米・麦・大麦等)は、肝性脳症等の重度な肝疾患の猫にとって必要です(乾物量で30~40%)。
食物繊維を多く含む食事も肝疾患の猫には有益です。食物繊維は、腸管で産生されたアンモニアを捕捉して糞便中に捨てる作用があります。
食欲不振・頻回の嘔吐による低カリウム血症には、食事中にカリウムの強化、あるいは補充が必要です。
また腹水貯留を防ぐためにも食塩(NaCl)の過剰摂取は避ける必要があります。
肝疾患の猫へビタミン類の補充・添加を工夫した療法食もあります。とくにビタミンKは、凝固因子の合成の低下による出血傾向の防止として、ビタミンE・ビタミンCは抗酸化物質としての役割を果たします。
L-カルニチンは、肝臓での脂肪蓄積を防ぐ作用があるといわれています。
血中の芳香族アミノ酸が増加すると、肝性脳症が悪化します。そうさせないために分子鎖アミノ酸を豊富に含む蛋白源を与えることも解決策のひとつです。
日本では、「療法食ガイドライン(栄養特性に関する基準が定められた療法食リスト)」の慢性肝機能低下の項に、『高品質なタンパク質を使用、タンパク質を中程度に制限、必須脂肪酸を増強、銅を制限』と規定されているので、これを守っている療法食が市場に流通しています。

また日本獣医師会「療法食の適正使用のための食事療法ガイダンス」の中の肝疾患の項には、『高品質なタンパク質と高消化性の炭水化物を含む栄養組成が、機能が低下した肝臓への負担を軽減します。 』と述べられています。