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口腔疾患とキャットフード

猫の口腔疾患には、
・炎症
・腫瘍
・外傷
・先天性疾患(口蓋裂等)
等が挙げられます。

その中でも猫で比較的多く遭遇する疾患は、
・歯周病
・口内炎
・歯根の吸収病変(歯頸部吸収病巣)
です。

口腔疾患における主な症状としては、
・痛み
・咀嚼障害
・嚥下障害
・食欲不振
・栄養状態の悪化
・体重減少
等がみられます。

口腔疾患の栄養管理では、猫の苦痛を緩和し、十分な栄養素の供給をはかり、疾患の回復を促すことが最重要課題です。

猫の三大口腔疾患の中の歯周病について紹介します。

(1)歯周病
猫の歯周病には、発生頻度や程度に影響する多くの要因があります。
一般に猫の80~95%は何らかの状態の歯周病になっていると言われています。
病態生理学的には、歯垢が歯周病の主な原因です。
適切な歯周治療と持続的なプラークコントロールが口腔内の健康維持に重要です。

1)唾液と歯垢、歯石の付き方
歯の研磨後、極めて短時間(約20分)で歯の表面に約0.5μmの非常に薄い膜が再形成されるとの研究報告があります。この膜はペリクルと呼ばれ、歯の表面を覆うことにより歯の防護を行っています。
しかし反面、同時に細菌が付着する足場になってしまうという側面も持っています。
そのため、一定時間(約6~24時間)、物理的除去や唾液による洗い流しをしないとペリクル表面に付着した細菌が増殖し、細菌性プラーク(歯垢)が形成されてしまいます。

歯の表面に付着する歯垢を放置すると、唾液中のカルシウム分やリン等が沈着し、固い歯石となります。歯石の表面はざらついているため、さらに歯垢が蓄積して歯石が成長していきます。

年齢の増加とともに付着率も増加し、歯肉炎や歯周炎を発現します。
歯周炎がさらに悪化し、治療が遅れると、口腔内の細菌が血液を通じて全身へ運ばれることとなります。腎臓病・心臓病・肝臓病等の原因のひとつになることもあります。

2)歯周病の症状
①口臭がする
②常に流涎がみられる
③歯肉が赤く腫れている
④歯肉から出血している
⑤歯石がみられる
⑥歯が抜けている
⑦しばしば口元を足で掻く
⑧食べ方に違和感がある
⑨食欲不振

3)口腔衛生と食餌管理
ヒトの歯磨きと同様に、猫の歯に付着した歯垢を除去するための様々なホームケア製品があります。しかしながらヒトと違って猫の歯磨きはかなり困難が伴います。

そのため、猫には、食餌による機械的な洗浄が重要な口腔洗浄手段であると認識されています。
口腔衛生を守るためには、猫にとって最適の栄養バランスを供給しながらも、口腔に安全なものでなければなりません。

ウェットタイプよりもドライタイプの方が、歯垢・歯石の蓄積が少なくなるという報告があります。
しかしながら一般のドライフードやトリーツに、機械的清掃効果はあまり期待できません。
また、噛んで遊ぶおもちゃの一部には若干の歯石沈着抑制効果を認めたものもありますが、口腔内を損傷する可能性があることにも注意が必要です。
フードの形状が実際に基質の歯への歯垢の蓄積に影響するという実験データがあります。
ドライフードの粒の噛み応え度(粒の素材による内部構造の違い)並びに他の物理的な特徴(大きさ・形)を強化した維持食では、典型的な他のドライフードやウェットフードの維持食に比べて効果があったという報告です。

米国には、効果的に歯垢や歯石の蓄積をコントロールすることが可能な製品の認定を行うことを目的とした、アメリカ獣医歯科認定医による獣医口腔衛生委員会(VOHC)という組織が存在します。

海外の一部のメーカーのキャットフードに、この認定がなされた『VOHCマーク』の製品があります。
日本では、「療法食ガイドライン(栄養特性に関する基準が定められた療法食リスト)」の口腔疾患の項に、『噛むことで歯の表面に付着した歯垢を擦りとる食物繊維の層状構造を有する粒特性、カルシウムを制限』と規定されており、それを守った療法食が市場に並んでいます。